CPUが勝手にお話を創造する名作RPG
2000円の廉価版発売で入手容易に♪
ケルト神話をベースに独特の世界観、そして
シナリオジェネレーティングシステムを採用した画期的なRPG「
ティル・ナ・ノーグ(以下
ティルナノーグ)」の第3作目にあたる作品、「
Tir-na-nog?(ティルナノーグ?)」が2006年11月17日に廉価版としてパッケージ発売されます。現在在庫が無く入手困難だっただけにこのニュースはうれしいです。
後日詳しくお話する機会があると思いますので、今回は簡単にシリーズの紹介までとさせていただきます。
シナリオジェネレーティングシステム??
このシステム、簡単に言うと、ゲームをするためにコンピュータにお話を創造させるということです。
話の大まかなあらすじ、目的、地図、敵、アイテム、旅の仲間このような部品をある程度製作者側で用意した材料(ブロック)の中から、コンピュータが適当に拾い集めてブロックを組み立てて、10億通りのシナリオを作ってくれるというものでした。
ただ、もう一度同じシナリオを楽しみたい場合や、友達と同じシナリオを楽しみたいということに対応したシナリオコードもありがたい機能でした。シナリオコードはジェネレーティング時に10桁の番号を入力すると同じシナリオがプレイできます。
さらに同じシナリオコードでも過程が、もしくは結果自体がまったく違ってしまうこともよくあることです。
ただ、シナリオによって世界やダンジョンに大々的な違いがあることはありません。他のRPGに比べてイベント等少なく、ゲーム自体は単調です。このため、このゲームは仲間との冒険の過程を楽しむことが出来なければ、つまらないゲームと思われるかもしれません。
プレイするたびに内容が変わるRPGの系統の元祖は「ローグ」というUNIXというコンピュータ用に作られたアスキーアート(AA)だけのゲームであることは有名です。ローグの現代版として不思議のダンジョンシリーズが有名です。
PSソフト「エルダーゲート」も
ティル・ナ・ノーグを参考にそのやるたびに世界とシナリオが変わるゲームを目指したのではないかと思われます(評価は個人的にノーコメントですが一言…惜しい。)。
類似作に「ルナティックドーン」というRPGがありますが、まったくの別物です。こちらは冒険者の一生を体験するゲームとなっています。
第1期
Tir-na-nog? …?のクリアデータを引き継げる。アイテムモンスターなどデータ的にいろいろ増えた。1つの世界が区切られていて行ける区域が限られている。一本道シナリオにしてしまったことはこれは
ティルナノーグか?と賛否両論。町やフィールドでイベントがたくさん増えた。現在唯一公式手段で入手不可の
ティルナノーグ。(★)
第2期
Tir-na-nog復刻版 …初代版がWindowsで復刻されたが、初代で好評だったフルテンキー操作に対応していないなど、操作性や細かな移植が原版と異なり当時のファンには不評だった。逆に新規層にマウス操作は比較的好評だったらしい。(★★)
Tir-na-nog? …Windows版で初代版開発者竹谷直志氏も関わった新
ティルナノーグ。何が出来るかわからないワクワクシナリオシステムは?をベースに、そしてイベントが多彩だった?の長所を取り込み出来上がったのが?。今までのティルナノーグの集大成的な出来。(★★★★★)
第3期
Tir-na-nog? …新しい1歩を進み始めたティルナノーグ。戦闘シーンが一新。難易度の追加、別れた仲間と伝書で手紙のやり取りができることが特徴。?のクリアデータを引き継げる。(★★)
Tir-na-nog?DX …異世界の導入。全員の士気が分かるようになった(感情を数値化したものが見れるようになった。Wisder的にこれは反対)。仲間とのコミニュケーション方法が増えた。(★★★)
Tir-na-nog? …システムは?DXを踏襲。?のクリアデータを引き継げる。とにかくデータ量が増えました。メインシナリオが8つになり、シナリオをプレイヤーが選択できるようになった(これはティルナノーグになじまないと思います。なぜならば、1回やってしまうと、どこでどういうイベントが起きて誰がしゃべって、どうやってクリアして、誰が死ぬとゲームオーバーと、2回目以降解決方法などのオチが分かってしまうからです。8つのシナリオは選択できないようにした方が良かったかも。)。(★★★☆)
★はティルナノーグ?を5点満点とした場合の個人的なオススメ度。
第3期はまだまだ成長中かなと。
「作った作者自身が、毎回展開や解決方法の分からない1人用RPGができること。」このシステムが完成したときに初めてティルナノーグは完成するのかもしれません。
長所短所を踏まえ、ティルナノーグに触れてみようと思われた方。Wisderのアドバイスとして現時点でオススメできるのは完成度、お買い得度を踏まえると「Tir-na-nog?」です。
P.S...私のハンドルWisder(ウィスダー)は、テーブルトークRPGの「D&D」や「ソードワールド」時代から愛用の名前です。ベーシックマガジン内読者オピニオンのページで「英雄妖精ウィスダー」でティルナノーグをオススメする意見を投稿したのがたまたま掲載されたことが、今でもこのハンドルを使い続けているきっかけとなっています。ちなみに英雄妖精とは、シリーズ問わずティルナノーグ主人公の種族名です。英雄妖精を名乗る=「ティル・ナ・ノーグ」ファンだよ。というわけです。